10月・11月・12月の年中行事
■(10月 神無月)十三夜
旧暦の9月13日に行う観月は日本独自の風習で「十三夜」といいます。
現在、観月やお月見で一般的に知られているのは十五夜ですが、昔は片方のお月見だけ行うことは「片見月」といわれ縁起の悪いことでした。十三夜は「後(のち)の月」「豆名月」「栗名月」とも呼ばれ、十五夜と同じように月見団子やこの時期に収穫した物、すすきなどを供えて月を眺めます。

■(10月 神無月)ハロウィーン
ハロウィーン(Halloween)は、キリスト教の諸聖人の日「万聖節(ばんせいせつ)」の前夜に行われる行事です。
キリスト教では10月31日がハロウィーン、11月1日が諸聖人の日、11月2日が死者の日とされています。諸聖人の日は英語で「All Hallows」と表記され、その前の晩に行われることから「Hallow Eve」と呼ばれるようになり、「Halloween」となったと言われています。ケルト人たちの収穫祭がキリスト教に取り入れられたものとされており、ハロウィーンの晩には精霊たちや魔女などが出たり、亡くなった人がこの世によみがえると考えられています。
悪霊たちを驚かせ身を守るために仮装をしたり、「ジャック・オー・ランタン」と呼ばれるカボチャのちょうちんなどを作って飾ります。子供たちは仮装して「Trick or treat(お菓子をくれないといたずらするぞ)」と言って近所を歩いてまわります。日本でもハロウィーンのグッツがたくさん販売されたり、仮装パーティーなどのイベントも増えています。



■(11月 霜月)酉の市
毎年11月の酉の日に鷲神社で開かれる市、祭礼を「酉の市(とりのいち)」「お酉様(おとりさま)」といいます。
酉の市は、新しい年の開運、除災、商売繁盛などを祈った祭りだったことから、酉の祭(とりのまち)と呼ばれていました。月の初めの酉の日を一の酉、次を二の酉、その次を三の酉といい、三酉まである年は火事が多いと言われています。宝船やおかめの面、小判、稲穂の飾りなどがついた縁起物の熊手がたくさん売られています。熊手は鷲の爪を表しているとされ、お金や福徳をかき集める意味が込められています。

■(11月 霜月)七五三
七五三はもともとは宮中、公家、武家の風習で、三歳、五歳、七歳の成長の節目に氏神様を参拝し、感謝と子供の健康と幸せを祈願することです。
三歳「髪置き」の儀式、男女ともそれまで剃って短くしていた髪を本格的に伸ばしはじめること。五歳「袴着」の儀式、男の子が初めて袴をつけること。七歳「帯解き」の儀式、女の子が付け紐のある着物から帯にかえて着物を着ること。現在では、女の子は三歳と七歳、男の子は五歳にお祝いするのが一般的で、数え年ではなく満年齢で行うことが多いようです。
11月15日に行うのは、旧暦の15日が二十八宿のうち最も良い日である「鬼宿日(きしゅくにち)」であったこと、15日の満月に収穫を感謝する祭りで子供の健康と幸せを祈願をしていたなどと言われています。



■(12月 師走)クリスマス
クリスマスは「Christ(キリスト)」の「mas(ミサ)」を意味しており、イエス・キリストの降誕を祝う日です。
イエス・キリストの正確な誕生日ははっきりしておらず、12月25日に祝うようになったのは4世紀頃とされ、ローマ皇帝アウレリアヌスが12月25日を太陽神の誕生日と定めたことなどに由来しているとされています。教会では24日の夜にミサが行われ、信者たちはミサの後、家族や知人たちが集まりクリスマスパーティーを開きお祝いします。
クリスマスツリーを飾る風習はドイツからはじまり、イギリスや他の国にも伝わりました。ツリーに使われるのは、冬でも緑を保つモミの木などの常緑樹で生命力を象徴しており、知恵の樹の実を象徴したリンゴや、星、天使などの飾りものを飾ります。
クリスマス・イブの夜に、赤鼻のトナカイのソリに乗り、世界中の子供たちにプレゼントを贈ると言われているサンタクロースは、聖ニコラウスの伝説に由来しています。
財産家の両親のもとに生まれた聖ニコラウスは、両親の死後に莫大な遺産を相続しましたが、そのお金を親のいない子供や貧しい人々のために使ったすばらしい人でした。あるとき、お金がなくて3人の娘を結婚させることができない、娘を売ることを考えているという父親の話を耳にしたニコラウスは、夜中にこっそりお金を包んでその家の窓に向かって投げたところ、干していた靴下の中に入りました。ニコラウスはこれを長女の分、次女の分、三女の分と3回投げ込み娘たちはそのお金のおかげで身売りを逃れ、幸せな結婚ができたという逸話です。

■(12月 師走)大晦日
毎月の末日を「晦日(みそか)」といい、12月31日は一年の最後の日、特別な末日であるため「大晦日(おおみそか)」といいます。
昔は一日の境目が日暮れとされていたため、大晦日の夜に新年が始まっていました。そのため、この夜は年神様を迎えるために一晩中起きているのが習わしとされていました。大晦日の夜に早く寝てしまうと、白髪やしわがふえてしまうという言い伝えもあります。現在でも大晦日には家族で年越しそばを食べ、除夜の鐘を聞き、初詣に行くことが習慣となっています。
年越しそばには、そばの長さにあやかって長寿の願い、家運が長く続くようにという意味があります。また、昔の金銀細工師が散らばった金粉などを集めるのにそば粉を練ったものを使っていたことから、新年の金運を集めるという説もあります。
除夜の鐘は、人間の108の煩悩を鐘をついて取り除き、新年を迎える意味があり、107つは大晦日のうちにつき、最後の1つは新しい年につきます。



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