贈答・お中元・お歳暮
■贈り物を選ぶ
贈り物を贈る場合は、お祝いで贈るのか、お詫びで贈るのか、感謝を込めて贈るのか、目的をはっきりさせます。
品物選びでは、贈る側の好みではなく、相手側の好みに合わせるのが基本です。相手の趣味や好みを把握している場合は選ぶのも楽ですが、そうでない場合には、相手の年齢や家族構成、職業などを目安に選ぶのがいいでしょう。夫婦二人暮しならペアで使えるもの、子供のいる家庭なら子供が好きそうなもの、仕事で使えるものなど。
食品を贈る場合には、相手側の人数に合わせて贈ります。食べ切れないほど多く贈るのは相手を困らせてしまうことになります。金額的にあまり高価な品物を贈ることも、相手を困らせてしまいます。
また、贈ることがタブーとされているものもあります。
結婚祝い「切れる」「壊れる」を連想させるもの。
包丁、鏡など。
新築・
開店・開業祝い
「燃える」「火災」を連想させるもの。
ランプ、灰皿など。
入院・病気見舞い「寝つく」を連想させる、パジャマ、タオル、鉢植えの花。
「四苦」を連想させる、シクラメン。
「葬儀」を連想させる、菊。
「血」を連想させる、真っ赤な花。
花の散り方が不吉とされる花、香りの強い花。
目上の人への贈り物現金は相手を自分より低く見ているとされるので失礼、商品券も同じ。
履物は「踏みつける」、時計など身につけるものは「より勤勉に」、印鑑は「もっと責任を持て」とされ失礼。
その他櫛は「苦死」を連想させる。
日本茶は「弔時」を連想させる。
数では、4と9は「四苦」を連想させるため避けられ、8は末広がりで喜ばれます。
詰め合わせにして贈る場合には奇数は慶事、偶数は弔時と言われ、ペアや箱単位、ケース単位のものは慶事でも贈ってかまわないと言われています。

■贈り方
贈り物の贈り方は、本人が持参して相手方に出向いてあいさつをするのがマナーです。現在では、贈る相手が遠方に住んでいたり、忙しくて時間を空けていられない、直接持って来られても恐縮してしまうなどのため、配送することが一般的となっています。
配送する場合には、相手方に失礼にならないように送り状を出すのがよいでしょう。送り状には、「何を、何のために、○○から送り、いつ頃届く予定です。」の内容とメッセージを書き、品物よりも前に届くように出します。送り状を出さない場合には、品物にメッセージカードを添えて送りましょう。
目上の人への贈り物など、持参して渡したい場合には、必ず相手方の予定を伺ってから出向きましょう。

■お礼とお返し
贈り物が届いたら、遅くても3日以内にはお礼の気持ちを伝えます。現在では、電話で品物を受け取ったことと、お礼を伝えるのが一般的です。目上の人からの贈り物を受け取った場合には、電話とは別にお礼状を出します。
お返しの品を贈る場合には、目下の人には同額、目上の人には半額程度のものお返しすると言われています。最近では、目上目下などに関わらす、いただいた金額の三分の一から半分程度のものを贈るのが一般的です。
お礼状だけでよい場合帯祝い・初誕生日・初節句・七五三・十三参り・入学祝い・卒業祝い・就職祝い・成人式・昇進祝い・栄転祝い・退職祝い・災害お見舞い・お中元・お歳暮・お年賀
内祝いがお返しとなるもの出産祝い・結婚祝い・長寿の祝い・快気祝い
祝いの席でのもてなしがお返しとなるものお七夜・お食い初め・新築祝い
記念品など開店祝い・開業祝い
弔事のお返し香典返し・法要の際の引き出物



■お中元・お歳暮
お中元は一年の前半が過ぎた頃に、お歳暮は年末に、日頃の感謝を込めたお礼として贈ります。
お中元は7月の初めから15日までの間に届くように贈ります。遅れてしまった場合には、立秋までは「暑中御見舞」、立秋以降は「残暑御見舞」として贈ります。
お歳暮は12月の初めから20日頃までに届くように贈ります。遅れてしまった場合には、年が明けてから7日まで「御年賀」、それ以降は「寒中御見舞」として贈ります。

■お中元・お歳暮を贈る相手
贈る相手先は、両親、親戚、仲人、会社の上司や得意先、主治医、お稽古ごとの先生、恩師、知人などが考えられます。結婚する際に仲人をお願いした場合には、仲人宅に贈りますが、頼まれ仲人の場合は最低3年でよいとされています。
会社関係の対応は、会社の慣例がある場合それに従います。公務員、学校の先生、病院の先生、金融機関などの場合には、お中元やお歳暮などは受け取らないように決められている場合が多いです。

■贈るのをやめるには・・
お中元とお歳暮は、一度やり取りをはじめるとなかなかやめにくいもの。さりげなくやめるには、年に2回贈っていたものを1回にしたり、贈り物の金額を減らしたりして徐々にやめるのがいいでしょう。その後は、暑中見舞いや年賀状など季節のごあいさつとしてハガキで送るのがいいでしょう。
お中元とお歳暮のどちらか片方を選ぶ際には、お歳暮を選ぶのが一般的です。お中元はお歳暮だけでは足りないくらいお世話になっている人に贈るとされています。

■お中元・お歳暮の贈り物と金額
贈り物の金額は、お世話になっている程度で変えたりしますが、3,000〜5,000円のものが多いようです。
両親・仲人・会社の上司・得意先・恩師5,000円前後
親戚・主治医・お稽古ごとの先生・知人3,000〜5,000円
お中元の贈り物には、ビールや飲料水、めん類、デザート類、フルーツなど夏の季節に合わせたものが人気です。お歳暮の贈り物には、ハム類、海産物、のり、コーヒーセットなど年末年始の忙しい時期に簡単に食べてもらえるようなものが多いようです。
相手先の家族構成などを考えて選びますが、事前に禁酒をしていることや、健康のため甘い物・塩分などを控えていることなどがわかっている場合には、それらを贈ったりしないように注意します。

■お中元・お歳暮
金額の目安3,000〜5,000円
表書き御中元、御歳暮
水引赤白超結び

■お中元・お歳暮のお返し
お中元・お歳暮のお返しは基本的には不要です。贈り物を受け取ったらお礼の電話をし、お礼状を出しましょう。お中元・お歳暮を贈っていない人からいただいた場合にも、まずお礼の電話をし、お礼状を出せば充分です。お礼として贈り物を渡したい場合には、「暑中御見舞」「残暑御見舞」「御年賀」「寒中御見舞」などとして贈ります。

■相手先が喪中の場合
お中元・お歳暮はお祝いではないので贈ることも受け取ることも差し支えありません。喪中のお宅へ贈る場合には、赤白の水引きなどはかけずに普通の包装紙で包みます。お中元・お歳暮を贈る時期が四十九日の前の場合には、日を遅らせて「暑中御見舞」「残暑御見舞」「御年賀」「寒中御見舞」などとして贈るのがいいでしょう。
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