1月・2月・3月の年中行事
■(1月 睦月)七草がゆ
1月7日に「春の七草」を使ったお粥を食べて無病息災を祈る習わしです。七草がゆは中国から奈良時代に伝わり、江戸時代には一般庶民の間でも定着していきました。
使われる七草は地方によって多少違う場合もありますが、芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、はこべら、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、すずしろが一般的です。胃に優しく消化を助ける効果や、ビタミンなどの栄養補給となるものなど様々な薬効のある食べ物とされています。

■(1月 睦月)鏡開き
1月11日に年神様にお供えしていた鏡餅をおろし、手や木づちなどで割ってお汁粉やぜんざいにして食べます。武家社会では「割る」「切る」などは忌み言葉であったため、開運の意味を込めて「開く」と言います。また、鏡餅を割る際にも刃物は使わないのがしきたりとなっています。

■(1月 睦月)小正月
元旦は「大正月」、1月15日は「小正月」と呼ばれます。小正月には、小豆粥を食べて五穀豊穣、無病息災を願う風習が残っており「十五日粥」とも呼ばれることがあります。
神社などでは、正月飾りや書初めなどを燃やす「どんど焼き」が行われます。どんど焼きは地方によって燃やすものや呼び方が違ってきます。祈願しただるまを焼いたり、道祖神の祭り、燃え上がり方で占ったり、また、どんど焼きの火で焼いた餅を食べると一年間病にかからないとも言われています。呼び方は「どんど焼き」「左義長」「おんべ焼き」「とんど焼き」「どんと祭」など。

■(1月 睦月)女正月
女正月は、年末のお節料理作りから正月の間も忙しく働きづめの女性の休息のための日という意味があります。正月の行事が終わる1月15日の小正月や、二十日正月のことを「女正月」と呼んだりします。



■(2月 如月)節分
節分は、季節の分かれ目である「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日のことを言います。現在では節分というと立春の前日のことを意味しますが、それは旧暦では立春が年の変わり目で重要な日であったのでそのようになりました。
節分には豆をまく行事が行われます。中国から伝わった風習で、「追儺(ついな)」「鬼遣(おにやらい)」とも呼ばれます。節分の鬼とは季節の変わり目に起こしやすい病気や災害のことを指し、この鬼を祓うために行います。
豆まきは節分の日の夕方に大豆を炒って枡に入れ、神棚に供えます。年男、一家の主人が豆をおろして、玄関から外に向けて「鬼は外」と2回唱えながらまき、次に家の中に向けて「福は内」と2回唱えながらまきます。まいた後は福が出て行かないように戸を閉め、年の数だけ豆を食べます。
大阪など関西地方では、節分の日にその年の恵方を向いて太巻き寿司を食べる風習があります。最近では全国的にも「恵方巻き」という太巻きの寿司が定着してきたようです。恵方巻きを食べる時には、願い事を思い浮かべながら目を閉じて無言で食べます。

■(2月 如月)針供養
針供養の日には、針仕事を休み、針の供養をして裁縫の上達を願います。供養を行う日は、2月8日の「事始め」、12月8日の「事納め」に行うことが多いようです。折れた針を豆腐やこんにゃくなどのやわらかいものに刺して、神社などで供養したり、川や海へ流したりします。現在では、一般家庭で針供養を行うことは少なくなり、和裁や洋裁学校などの行事として行われているようです。

■(2月 如月)バレンタインデー
2月14日のSt. Valentine's Day(セントバレンタインデー)には世界各地で恋人たちのお祭りが行われたり、愛の告白をする日とされています。バレンタインデーは、ローマ帝国の時代、兵力を増強するために兵士の結婚を禁止した政策に反対して、密かに兵士たちを結婚させたローマの司祭「聖バレンティヌス」が捕らえられ、処刑された日です。
日本では女性から男性にチョコレートを贈る習慣がありますが、これは日本独自のものです。外国では恋人たちがお互いにプレゼントやカードなどを交換するようです。



■(3月 弥生)ひな祭り
3月3日は「ひな祭り」「桃の節句」と呼ばれ、ひな人形を飾り女の子の成長、幸福を祈願します。平安時代の貴族が紙人形でひいな遊びをしたものに、自分の厄や災いを移し、川や海などへ身代わりに流したことからひな祭りは始まりました。ひな人形には、子供に災いがふりかかりませんように、健康で幸せになりますようにという願いが込められています。
ひな人形を飾る時期は、2週間前から遅くとも1週間前には行い、節句が終わったらすぐにしまいます。しまい忘れていると、災いがふりかかったまま、将来縁遠くなるといわれています。
桃の節句の祝い膳には、ちらし寿司、蛤のお吸い物、白酒を用意し、ひし餅、ひなあられ、よもぎ餅などを添えます。蛤の貝は他の貝とぴったり合うことがないため、貞節の意味があります。

■(3月 弥生)お彼岸
お彼岸は春分の日、秋分の日を中日としてその前後3日間を入れた1週間を言います。彼岸の初日を「彼岸の入り」、春分の日、秋分の日を「中日」、最後の日を「彼岸明け」といいます。
彼岸は日本独自の風習で、浄土思想に由来しています。浄土思想では、極楽浄土は西方のはるか彼方にあると考えられており、太陽が真東からのぼり真西に沈む春分、秋分の時期にはこの世と先祖たちの住む世界との交流がしやすいとされ、太陽を礼拝したのが彼岸の始まりです。
この期間中は仏壇を掃除し、朝と晩に灯明をともし線香をあげ、花やおはぎ、ぼたもちなどを供え、家族でお墓参りをして先祖の供養をします。「おはぎ」と「ぼたもち」は同じものですが、春の彼岸の時期に咲く牡丹、秋の彼岸の時期に咲く萩に由来しているとされています。



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