食事のマナー
■和食の形式
日本料理の形式にもいろいろありますが、あらたまった席では本膳料理、懐石料理、会席料理、精進料理などが用いられています。
本膳料理日本料理を代表する正式なもてなし料理。室町時代にはじまり江戸時代に発展した儀式的なもので料理作法も厳しい決まりがある。脚付きの五つの膳に三汁十一菜で構成されるのが基本。現在では、冠婚葬祭の儀式的な料理で出されることもある。
懐石料理茶会の際に、お茶の前に出される料理、「茶懐石」とも呼ばれる。茶道の各流派によって様式も異なる。料亭などでは簡単に楽しめるような懐石料理を出しているところもある。
会席料理本膳料理が基となった酒宴を中心としたもてなし料理。吸い物、刺し身、煮物、焼き物の一汁三菜が基本。現在では旅館、披露宴などで出される日本料理のフルコースのほとんどが会席料理。
精進料理鎌倉時代に禅宗の僧によって確立され広まった、粗食、菜食。現在では、法要の際に用いられることが多い。

■和食のマナー
箸を休める場合には、箸置きに箸先を少し出して置きます。箸置きがない場合には、箸袋を二つ折りや結ぶようにして使います。
お椀などの蓋物は蓋をあけて膳などの外側に裏返して置きます。右側に置いてある蓋物は右外、左側のものは左外へ。食べ終わったら少しずらして元通りに蓋をします。裏返して重ねるのは食器を傷めることになるので避けます。
手に持ってよいのは、汁物のお椀、醤油などの小皿、小鉢、つけ汁の器。刺し身や焼き魚などの器や大皿、大鉢は持ってはいけません。
汁物から先に箸をつけるようにし、何種類かの料理が一皿に盛られている場合には端の方から箸をつけるようにします。
あらたまった席には懐紙を用意していき、食事中に焼き魚などを食べる際に押さえたり、受け皿として使ったり、汚れを拭くのに使用します。

■和食のタブー
犬食い顔を器の方へ持っていくこと。
膳越し大皿から直接、料理を口に持っていくこと。必ず小皿にとりわけて食べる。
袖越し右にある料理を左手で取ったり、左に置いてあるものを右手で取ること。
にらみ食い物を食べながら器越しにまわりをのぞき見したり、次は何を食べようかと料理を見渡すこと。
移り箸いったん料理に箸をつけておきながら食べかけのまま、他の料理に移ること。
探り箸盛り付けの中から箸でかき混ぜて探って取り出すこと。
刺し箸料理を箸ではさんで取らず突き刺して取ること。
ねぶり箸箸先をなめたりすること。
仏箸箸をご飯に突き刺して立てること。
迷い箸どの料理にしようかと迷い、箸を行ったり来たりさせること。
寄せ箸箸で器を引き寄せたり、押したりすること。
渡し箸器の上に箸を横にかけて置くこと。



■洋食のマナー
椅子に腰掛ける際には、女性、目上の人の順に椅子の左側から座り、テーブルとの間はこぶし一つ程度の距離をあけます。ハンドバックなどは背中と椅子の間に置くのが基本ですが、床の上に置く場合には右下の足元に置くようにします。
ナプキンは主賓、もしくはテーブルの上座の人が取り広げたら、周りの人も取り広げます。二つ折りにし折り目がお腹側にくるようにして膝の上に広げ、食事中に口元や手を拭くのに使います。拭く際には二つ折りにした内側の隅を使って拭くようにし、汚れを外側に見せないように気をつけます。食事の途中に席を立つ場合には、ナプキンは汚れを内側にして軽くたたんで椅子の上に置き、食事が終わり主賓、もしくはテーブルの上座の人がナプキンを置いたら同じように軽くたたみテーブルの上に置きます。
ナプキンをきちんとたたんで置くと「料理やサービスが気に入らなかった」という意味になり、ナプキンを使わないで自分のハンカチを使うと「ナプキンが汚くて使えない」という意味になるので気をつけましょう。
西洋料理のフルコースでは、食器、ナイフ、フォークなどはテーブルの上にセットしてあり、基本的には外側から使っていきます。食事の途中にナイフ、フォークを置く場合には、フォークは腹を下にしてナイフは刃を内側にして、皿の上に「ハの字」になるように置きます。食事が終わったら、フォークは腹を上にしてナイフは刃を内側にして揃えて右斜め下に置きます。国によって終了の位置が異なり、揃えて横にして置いたり、縦に置いたりします。
食べるスピードはまわりの人たちと合わせ、スープは音を立てずに飲み、食事中はガチャガチャと音を立ててはいけません。ナイフやフォークを落とした場合には、自分では拾わないでウエイターにまかせます。口に料理を含んだままで話しをしたり、人前でゲップはしてはいけません。皿を持って食べたり、片手にグラスを持ったままで料理を食べてないけません。食事中は禁煙です。
ワインなどをついでもらう際には、グラスはテーブルに置いたままでついでもらう。持ち上げてはいけません。グラスに口紅がついた時には、さりげなく指で拭き取り、指はナプキンで拭きます。ナプキンで直接グラスを拭いてはいけません。



■中華料理のマナー
中華料理は円卓を囲み、楽しく歓談しながら料理をいただくのが特徴です。円卓では入り口から最も遠い席が上座(主賓)の席となり、左隣が二番目、右隣が三番目になります。レディファーストが原則となるので、目上の女性から座り夫婦同伴やカップルの場合には男性は左隣に座ります。
ターンテーブルでは、一番初めに主賓が料理を取り、時計回りで料理を取りわけていき、全員が取り終わってから主賓がまず箸をつけ、食べ始めます。
料理を取りわける際には、全員にいきわたるように確認しながら適量を取ります。自分の皿に取りわけた分は残さず食べ、皿が汚れたら新しい皿を使います。
ターンテーブルを回す際には、他の人が料理を取りわけていないか確認してから回し、逆回転させたり、急いで回転させたりしてはいけません。ターンテーブルの上には、料理の大皿や調味料だけをのせるようにし、グラスやビール、使い終わった皿などをのせてはいけません。
中華料理では皿を手に持って食べてはいけません。皿、器はテーブルに置いたままで食事をします。スープなどはちりれんげを使って飲みます。直接、皿や器に口をつけてはいけません。
大皿に料理を取るための取り箸やサーバーがついている場合には、それらを使って取り分け、ついていない場合は自分の箸で取りわけます。



■立食でのマナー
立食パーティーでは、一般的にメインテーブルに時計回りに料理が並んでいます。料理を取る際には、オードブルから取り、冷たい料理、温かい料理、デザートの順番に取るのが基本ですが、混み合っている時などは、取りやすい料理だけ取ったり、流れにそって回ります。料理を取りわける際には、盛り付けをくずさないように気をつけ、料理を取ったらメインテーブルから離れたところで食べましょう。
料理は一人一皿まで、山盛りに料理を取ったり、温かいものと冷たいものを一緒に取ったりしてはいけません。皿に取りわけた料理は残さず食べ、残っているのに違う料理を取りにいってはいけません。同じ料理を何回も取りに行ったり、最初からデザートだけを食べたりしてはいけません。使い終わった皿はサイドテーブルに置き、メインテーブルには置いてはいけません。
会場に用意されている椅子には長居したり、荷物を置いたままにしてはいけません。立食パーティーでは立ったままで食事をするのが基本、左手にグラスと皿を持ち、会話やあいさつをする際には食事の手を休めましょう。コーヒーはカップだけではなくソーサーも一緒に持ちます。
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